強そうに見えてそれほどでもない、いわゆる「事故りやすい」ハンドを紹介してみます。
■KJ
強そうに見えてそれほどでもない、事故りやすいハンド No1と言えばこれでしょう。
KJの弱い点は、強いハンドを主張してる相手に対して勝っている可能性が小さいことです。
- AA、KK、QQ、JJなどのハイカードペアには完全に負けている
- AK、AJの典型的なA+絵札にドミネイト負け
- A+ANYに、Aハイで負けている
- KQにも負けている
- 1ギャップ、しかも上のほうのためストレートが作りにくい
- ペア相手でやっと五分
つまり、強さを主張しているハンドに対してこのハンドが勝ってる可能性はあまり無く、ヒットしてもドミネイトやオーバーペアで大やけどしかねないのです。
オープンレイザーとしてはそこそこ強いですが、レイズに対するコールは危険で、ヘッズになりそうな状況なら降りることも必要です。
■QQ
プリフロップでQQはかなり強いハンドです。
しかし、AAとKKには負けています。また、AKに対して勝率5割です。
レイズに対してQQでリレイズしたところ相手がオールインしてきて、コールしてみたらAAやKKを見せられた経験の一つや二つはあるでしょう。
例えば、レイズにリレイズ、あるいはリレイズにリリレイズが返ってきて、相手のハンドをハイカードのペアと予想したとします。
ここで、ハイカードのペアをAA、KK、QQ、JJの4通りとします。
自分がQQを持っている場合、相手が同じQQを持っている可能性は低いと考えていいでしょう。そうなると、相手のハンドはAA、KK、JJの3パターンとなります。
このうち、自分が負けているパターンはAA、KKの2つ、自分が勝っているパターンはJJの1つとなります。
つまり相手のハンドがハイカードペアと予想してそれが確実だと考えた場合、自分がQQであれば2:1の確率で負けています。
だからQQを持っていても相手の行動に異変を感じたら、まずは一呼吸おいて慎重にプレイしましょう。
万一の場合は降りれるよう、ポットコミットしないように気をつける必要があります。
■AJ
非常にマージナルなハンドです。
もしAがヒットしたとしても、常にAKやAQの存在を警戒しないといけません。
そもそもAJでオープンレイズした時にコールしてくるハンドは、AK、AQやポケットペア、コネクタが多いのです。
Aがヒットしてもドミネートされて負けているリスクが大きく、相手のコールレンジがほとんど無いので稼げないためです。
■AK
自分がロックに打っていて相手もそれを知っているとき、プリフロップでオールインしそうになったら一呼吸置いて考えましょう。
相手から見てこちらをロックだと思ったとき、打ち返せるハンドレンジはAA、KK、AKだけです。
それぞれの割合と勝率を考えてみましょう。
相手のハンド | 勝率 | 構成比 | 勝率×構成比 |
AA | 6% | 22.7% | 1.4% |
KK | 29.5% | 22.7% | 6.7% |
AK | 50% | 54.6% | 27.3% |
合計 | 100% | 35.4% |
自分がAKで相手のハンドレンジがAA、KK、AKのとき、勝率は約35.4%です。
オッズに換算すると2.8倍が必要です。
さて、オールインしそうなときに自分がポットに入れた額はスタックの何割でしょうか?
もしスタックの3分の1以上を入れているのであれば、残りを入れてもオッズは3倍あるので大丈夫です。
しかし、スタックの5分の1であればオッズは2.5倍なので不足しています。
(オッズ)2.5倍 =(勝った時に得られる、自分のスタック+相手のスタック)2スタック÷(オールインに必要な残りスタック)5分の4スタック |
コールに止めたとしてもSPR(フロップでのポット額÷有効スタック)が2となるため、ほとんどポットコミットしています。
そこで先にプリフロップでオールインしてしまおうという誘惑がありますが、前述のとおりオッズが合わないので損なギャンブルになります。
自分がAKを持っているときに相手がAKで打ち返しているというハンドリーディングは、確率が54.6%なのであながち間違ってはいません。しかし、AA、KKを考慮するとオールインのオッズが合わないことがあるのです。