ポーカー専業プロになるには

ポーカーをそれなりに経験すると、誰しもが一度は専業で生活することを考えるのではないでしょうか。
誰もが一度は考えるこのテーマ、いくつかの切り口から掘り下げてみたいと思います。

ぶっちゃけ、ポーカープロの月収は?

テキサスホールデムのゲームタイプは大きく分けてキャッシュゲームとトーナメントがあります。
しかし、トーナメントはシートオープンすると稼働できなくなること、またキャッシュゲームのほうがカジュアルプレイヤーが多いことを考えると、プロを目指すならキャッシュゲームしかありません。

ライブカジノであれば、だいたい100ハンドあたり約10 BBプラスぐらいがプロの目安だと言われています。
1時間あたりのハンド数は約20~30ハンドなので、12時間プレイすれば350ハンド、35BBが稼げる計算になります。

それらをもとに日当を計算すると、

  • $1/$2のテーブルなら約70$/日
  • $2/$5のテーブルなら約175$/日
  • $5/$10のテーブルなら約350$/日

ぐらいです。

これらの条件から稼働時間と月収を計算した結果は次のとおり。

  • $2/$5のテーブル
  • 1日12時間勤務(昼正午から夜12時ぐらい)
  • 週休1日(月間25日稼働)
  • 月収は約4,375$(175$/日×25日)、約48万円

月収は50万円に届くかどうかというぐらいで、年収になおすと600万円ぐらいになる見込みです。
なので、一般的なサラリーマンの年収水準を稼ぐのであれば最低でも$2/$5以上で打つ必要があります。

バンクロールはどれぐらい必要?

キャッシュゲームにおける適正なバンクロールはバイイン金額の20~40倍と言われています。
しかし、マネープレッシャーに負けず常に正しいプレイをすることを考えると、バイイン金額の50~100倍ほどの資金があったほうがよいでしょう。

そこで、ここまでの議論を踏まえて、必要な資金額を計算してみます。
計算する条件は次のとおり。

  • $2/$5に500$でバイイン(プロの最低レート)
  • 資金量はバイイン額の50~100倍

これをもとに必要な資金量を計算すると、次のような計算結果となりました。

  • 最低限必要な資金は500$×50倍=25,000$(約300万円)
  • 余裕を見た資金なら500$×100倍=50,000$(約600万円)

いかがでしょうか。
かなりの大金が必要という計算結果になりましたが、実際にポーカー専業で活動されているかたのブログでも500万円ぐらいのバンクロールが多い印象です。

ただ、これはあくまでプロとして毎日ポーカーを打つレベルでの計算です。
休暇を利用してカジノへ出かけるのであれば、そんなに資金は必要ないと思います。

専攻すべきゲーム

ポーカーのタイプは大きく分けてキャッシュゲームとトーナメントの2種類があります。
さらに、ゲーム種類としてホールデム、オマハがあります。

専業でやるならフルリングのキャッシュゲーム一択

まず、キャッシュゲームかトーナメントかについてですが、キャッシュゲームは次のメリットがあります。

  • 開始は卓が立っていればいつでもOK (トーナメントは時間にならないと始まらない)
  • チップが無くなっても、リバイすれば継続可能 (トーナメントは飛んだら終わり)

このことから、「稼働時間」という観点で見るとキャッシュゲームのほうが圧倒的に稼ぐことができます。

また、参加人数が少ないほど技量の差が出やすいので勉強になるという考え方もありますが、ライブのキャッシュゲームでは人件費の関係からフルリングしかありません。

ライブはフルリングしかない以上、6-maxやヘッズアップは特殊な状況になるため、そこで学んだことは実戦では活かせないです。

現状ではノーリミットテキサスホールデムが主流

また、ポーカーの種類はリミットゲームやオマハなどもあります。

しかし、現在のライブカジノでは8~9割をノーリミットテキサスホールデムが占めており、オマハは大規模カジノに1~2卓だけあるマイナーゲームといった扱いです。また、リミットゲームは絶滅寸前で、ラスベガスに行かないとプレイできない状況です。

このことから、いま覚えるなら主流である「ノーリミットテキサスホールデム」の一択しかないでしょう。

ポーカーをとりまく環境

次に、ポーカープロとして活動していくうえで環境についても考えていきましょう。

まず、日本にはカジノがありません。※アングラは除く
2016年12月にカジノ法案が可決しましたが、まだ具体的な計画が無い状態で先行きは不透明です。

そのため、ポーカープロとして活動するのであれば、必然的に海外カジノを拠点にすることとなります。

日本から近くてカジノがある国は次の4つです。

  • 韓国
  • マカオ
  • ラスベガス
  • フィリピン

世界の主流レート

いまのポーカーの主流レートは 1/2が7~8割、2/5がカジノによって1~2卓が立つ程度です。
なので、専業としてやっていく最低レートの$2/$5は全体の1~2割ほどに限られます。

韓国、マカオは$2/$5のテーブルが立っていますが、フィリピンはレートが安すぎるためプロとして活動するのは非常に厳しいでしょう。

ポーカープロとして拠点にする国

レート、ポーカープレイヤーレベル、滞在費などを考えると、現実的に専業として活動できる国は韓国、マカオでしょう。実際、どちらの国も日本人ポーカープロが何人か活動しています。

さて、韓国とマカオの滞在費をさらに詳しく見てみましょう。

主な滞在費は次の項目で構成されます。

  • 宿泊費
  • 食費
  • 交通費

これらについて、1日あたりどのぐらいの費用がかかるかを見てみます。

韓国は滞在費が非常に安く、3食カジノ、チムジルバン泊なら1,000円/日も可能です。
一方、マカオの滞在費は非常に高いので、ホテルをシェアするなどの節約方法を考えていく必要があります。

専業を目指すうえでの課題

ポーカー専業を目指すにあたって、課題になるのは次のようなことだと思います。

  • 生活費以上を稼げるようにな
  • 海外生活への順応
  • 社会的信用や周囲の無理解
  • 自分の将来について考える

上のほうの課題は大したことなく、下のほうへ移るにしたがって課題は大きくなっていきます。
正直、生活費以上を稼いだり海外生活へ順応するのは普通に努力すれば十分可能です。

それでは一つずつ見ていきましょう。

生活費以上を稼げるようになる

専業を目指すうえで最初のハードルが生活費以上を稼ぐことです。
ただ勝つだけでなく、同年代のサラリーマンよりも稼いでいないと専業をやる意味は無いと思います。

そのためにはひたすら努力すること、経験を積むこと。

幸いにもいまは多くの本や動画がありますし、オンラインで練習することもできます。
国内のアミューズメントカジノで実際に打つこともできますし、長期休暇をとって海外カジノへ出かけることもできるでしょう。

ポーカープレイヤー全体で食えるほどに勝てるのは10人に1人です。あとは大半がトントンかレーキ負け、テーブルに1~2人いる社長がチップをばら撒くぐらいでしょう。なので、まずは自分がポーカープレイヤー全体のなかで上位10%に入っているか考えてみると良いと思います。
定量的にスキルを測るなら、オンラインの0.25/0.5を2万ハンド打って勝ち越せるのがプロとしての合格ラインだと思います。

たまに専業志望の若手がカジノに現れますが、たいていは1ヶ月もたずに消えていきます。
その多くは準備不足、スキル不足が原因です。

いきなり人生オールインする必要はないですし、まずは数年経験を積んで海外カジノに慣れてからでも良いと思います。

海外生活への順応

海外生活で不安な英語や食生活は、続けていれば正直慣れます。

生活に不安があるようであれば、長期休暇をとって専業予定の国に滞在してみてはどうでしょうか?
そこで海外生活をやっていけそうか判断できると思います。

あと、言葉の問題は場数を踏むことが有効です。
意思疎通するだけなら中学レベルの英語で十分ですし、あとはひたすら話してトレーニングするしかないです。
完全に訛ってる日本人英語でも意思疎通だけなら相手は理解してくれます。

社会的信用や周囲の無理解

ポーカー専業は自称で誰でもなれますが、社会的には無職です。
社会的信用はゼロであり、クレジットカードや部屋を借りるときに問題となることがあります。

ぶっちゃけ自営業はいくら稼いでも社会的信用は無いですし、それより収入が低くても大企業社員の肩書は社会的信用が無敵だと感じます。そういった問題に対する抜け道はありますが、あとは形だけの会社や店を立ち上げて肩書を作っている人もいます。

兼業であってもポーカーで勝つことは十分可能ですし、専業でやるメリットは大して無いです。

将来について考える

一日中カジノにこもってポーカー、ホテルに帰ったらクタクタですぐに寝てしまう、起きたらまたカジノへ出勤してポーカー。。。

これを2週間ぐらい続けると、「俺いったい何やってるんだろう」ということを考えてしまいます。
人生にはポーカー以外の楽しみもありますし、「ポーカールームの窓の外には違う世界が広がっている」という言葉もあります。

また、ポーカーを続けるほど上には上がいることが分かってきます。
トッププロは24時間365日すべてをポーカーに捧げています。

そういったレベルに対していまの練習量で追いつけるのか、一方でそこまでポーカーに人生を賭けたいのかということも考えると思います。ポーカーが強くても社会的には何の役にも立たないですし、肩書はただの無職です。

また、ポーカーで稼ぐには自分がテーブルに座っている必要があり、最大でも1日24時間しかないので収入が頭打ちになってきます。
そう考えたとき、さらに収入を増やすためにコーチングや店を持つという選択肢があります。

専業プロが辞める理由

それでは最後に、これまで見てきたポーカー専業プロが辞めてしまう理由をいくつか紹介します。これを見て、失敗者が少しでも減ることを望みます。

スキル不足

専業プロを目指して仕事を辞め、意気揚々と韓国のカジノへ乗り込んでくる若いプレイヤーは数多いですが、大抵は1ヶ月もたずに消えていきます。

これは単純に準備不足、スキル不足が原因です。

リアルマネーのプレッシャー、またオンラインとライブカジノはスタックやプレイヤー層が大きく変わります。ある程度続けて慣れてくればギャップを乗り越えられるのですが、その前に消えてしまうことが多いです。

そのため、いきなり専業を目指すのではなく、まずは週末や長期休暇を利用して1年ほど兼業でやってみることで失敗の確率を大きく減らせます。

資金不足

バンクロールに見合わないレートに手を出し、大きく負けて資金が続かなくなるパターンです。また、少ないバンクロールで無理にプレイして手が縮こまってしまい、思うように勝てなくなることも含みます。

ポーカーの適正バンクロールはバイインの20倍と言われていますが、マネープレッシャーを考えると40〜50倍は欲しいところ。目安はコインフリップでオールインして負けても、気にせずアタマを切り替えて次に行ける程度です。

ポーカーテーブルは2年もすれば顔ぶれが一新しますが、その波を乗り越えられば新規プレイヤーに対して経験という武器を手に入れられます。
なので、まず生き残ることが一番大事。そうすれば、周りが勝手に脱落していつのまにかベテランになっています。

過当競争

プロが増えすぎ、あるいはフィッシュが減りすぎて煮詰まった状態になることです。こうなると時給がどんどん下がり、またバンクロールがレーキで削られていくことになります。

しかし、専業プロだと他に収入源が無いため打ち続けるしかなく、消耗戦となってしまいます。

対策としてはいくつかの国を常にチェックしてリスク分散すること、また副業を手がけることです。
幸い、ポーカーは良いハンドを待つ時間のほうが遥かに長いゲームですので、その時間を有効活用できる仮想通貨やFX投資は非常に相性が良いです。

結婚

いくつかある引退理由の中で、おそらく唯一のハッピーエンド (?)です。

結婚するときに相手の親の反対に合って専業を引退するパターンです。
その後は貯めた資金で何か商売を始めることが多いようです。

バカラで破産

順調に勝ち続けてたはずの専業が突然姿を見せなくなったとき、大抵はバカラで破産しています。

バカラはその気になれば全財産を1回に賭けることができるゲームです。最初は好奇心とヒマ潰しでカードを絞っていたのが、だんだん賭ける金額が大きくなり最後は数年かけて貯めたバンクロールをオールインして破産するのがよくあるパターンです。

これでベテランの専業が多く消えています。
なので、バカラは「ダメ、絶対。」

国際情勢で強制帰国

2020年から猛威を振るったコロナウィルスにより、多くのポーカー専業プロが強制帰国を余儀なくされました。
海外で活動している関係上、どうしても国際情勢に左右されやすくなるリスクが大きいです。