ビッグスタックを目指す
トーナメント戦では、最初にシートアウトしても、バブル(入賞する着順の一つ前)でシートアウトしても、結果がゼロであることに変わりはありません。
そのため、優勝か1飛びか、序盤はAll or Nothingの方針でプレイします。
よほど大きいトーナメントでない限り、チップ増加よりもブラインド上昇のほうがはるかに早いです。
ハンドを絞って期待値プラスを積み重ねるプレイでは、ブラインド上昇に追いつかず中盤あたりでショートスタックになり、そのまま自然死することとなりかねません。
また、中盤戦でチップ量の多いプレイヤーはスキルを活かしたプレイができますが、ショートスタックは降りるかオールインしかできません。
そのため、中盤戦でチップのあるプレイヤーはスキルを活かしたプレイができる一方で、ショートスタックのスキルを封じ込められる戦略的に優位な立場となります。
そのため、序盤はチップの山を築くことから始めます。
まずはスタートチップ量の2倍が目標です。
序盤は200BB程度あることが多いため、レイズ額を多めにします。
オープンレイズは約4~5BB、リンパーがいる場合はスタックの20分の1をベットします。フロップ以降、ハンドがあるなら序盤からオールインを目指すつもりで問題ありません。
チップの山を築くためにはハイリスク・ハイリターン、極力分散が大きくなるようにプレイし、投機的なハンドでも参加してビッグポットを獲得する機会を増やします。
たとえばスモールポケットやスーテッドコネクタなど、ほとんどは弱いハンドのまま終わってもボードにマッチすれば非常に強くなるハンドは、どのポジションからでも積極的に参加していきます。
また、強いハンドを持ってレイズしないスロープレイも通常は悪手ですが相手のハンドリーディングを狂わせることができるため、ドローハンドを引かれなければ、後に大きなベットをしてもブラフだと思われてコールしてもらうことができます。
フロップ以降はドローを積極的に引きに行って、またコンティニュエーションベットもセカンドバレル、サードバレルまで打ち続けます。
とにかくチップの山を築くか、あるいは早めに飛ぶかのどちらかになるようにプレイします。
【まとめ】
- 最初に飛ぶのもバブル直前で飛ぶのも結果は同じ
- とにかく、All or Nothingで分散を大きくして積極的に勝負する
- 目標はビックポット1回分(約30BB)の上乗せ、初期スタックの2倍あれば安心
- ビッグスタックで中盤戦に突入すると、チップの価値だけでなくビッグスタックであること自体が優位な状況となる
- 分散を大きくするため、投機的なハンドでも積極的に参加する
ビッグスタックになったら
幸運に恵まれビッグスタックの目標を達成できたら、ギアを切り替えて今度はタイトにプレイします。
トーナメント戦では順位ごとのプライズ額が決まっているため、チップが増えてもバリュー増加は逓減していく傾向にあります。
たとえば自分のスタックが総スタックの8割を占めていたとしても、プライズプールの8割を受け取れるわけではありません。受け取れるのは、あくまで規定のプライズ額のみです。
そのため、無理をしてスタックを増やしても、それによって得られるバリューは少ないのです。
そこで、これまでのような投機的なハンドで参加することはやめて、せっかく築いたビッグスタックを減らしてしまわないよう慎重にプレイします。
ビッグスタックのまま中盤戦に突入することができれば、その優位を活かしてミドルスタックにプレッシャーを掛けながらチップをかき集めることができます。
ショートスタックになったら
運悪く初期チップ量の半分まで減ってしまったら、ハンドを絞ってダブルアップによる逆転狙いに切り替えます。ブラインドが上がってしまい、オールインしてもオッズコールされてしまう前にスタックを増やしましょう。
また、リバイやアドオンがある場合、それらは最初の参加費より安いことが多いです。なので、積極的に勝負を仕掛けて飛んだらリバイをしたほうが期待値は高いです。
大きなイベントのとき
かなり大きなイベントになると、記念参加的なプレイヤーや運でサテライト通過しただけのプレイヤーもいます。
こういったプレイヤーはルーズに参加、なんでもコール、大きくベットすれば降ろせるんでしょ的なブラフをする傾向にあります。
そういう時は、これらのフィッシュを刈り取る戦略でプレイします。
ハンドを絞ってブラフはせず、相手のブラフをキャッチするようにプレイすると楽にビッグスタックを目指せます。