ポーカーは非常にルールに厳しいゲームです。
国内のアミューズメントではあえて指摘しないところも多いですが、このようなルールがあることは頭に入れておいたほうがいいでしょう。たいてい、誰かに指摘されます。
手持ちチップの置き方
手持ちチップをテーブルに置くときは、ルールがあります。
- すべてのチップを他のプレイヤーから見えるように置く ※手や物でチップが隠れないようにする
- 高額のチップを見えやすいように上へ置く
- チップをテーブル外に持ち出さない
基本は、「現時点での手持ちチップを他プレイヤーがわかるようにする」です。
また、他プレイヤーから要求があれば全ての手持ちチップを見せなければいけません。
ただし、金額を言う必要はありません。
カードの見方
ゲームが始まると、各プレイヤーにカードが裏返しで2枚配られます。
そのとき、配られたカードは他のプレイヤーから見られないよう、手で隠しながら確認します。
スタンダードな方法は、2枚のカードを裏返しのまま重ねて上のカードを少し左へずらし、カードの左上部分を少し持ち上げて下から覗き込むように数字とマークを確認します。このとき、左側のプレイヤーから見えないように持ち上げた部分を手のひらで覆って隠します。
※手で「かまくら」を作って隠すイメージ
カードを見るときの悪い例として、手で隠さずにカードを大きくめくったり、テーブルから離して見るというのがあります。これでは両隣のプレイヤーからカードの中が何か見えますし、またそのように誤解されます。
これはカードが見えた当人が不利になるだけでなく、両隣のプレイヤーにのみカードが多くエクスポーズ(公開)されていることになるため、著しく不平等な状態となります。
また、カードはテーブル外へ出さないようにしてください。
アクションの順番
プレイヤーのアクションは時計回りで順番に行われます。
自分の番が回ってくるまでは先にアクションをしないようにしてください。
ポーカーはこのアクションの順番が非常に重要で、他の人のアクションを見てから考えることができる後ろのポジションが有利とされています。
例えば、ポジションを利用した次のようなプレイができます。
■マージナルなハンドでのベット
自分のハンドが強くもなく、弱くもない中途半端なとき、前のプレイヤーが誰もベットしなければ強いハンドを持っているプレイヤーはいないと考えられます。
そのため自分が中途半端なハンドでも、他のプレイヤーは何もハンドが無いという想定でベットすることができます。
■ブラフ
前のプレイヤーがすべてチェックであれば、誰も強いハンドを持っていないと考えられます。
そのため、ベットすればみんな降りる可能性が高く、ブラフベットすることでポットを獲れる可能性があります。
■フローティング
相手がコンティニュエーションベットをしてきて自分のハンドがマージナルなとき、コールして次のターンで相手がチェックして弱みを見せたらベットすることで、ポットを獲れる可能性があります。
■テル(癖)
相手がアクションするときの挙動、ベット額を見ることで、相手のハンドを推測できることがあります。
ちなみに、順番を飛ばしてアクションしてしまうと、前のプレイヤーがベット/レイズしない場合は有効になります。
ただし、トーナメントでは反則行為とされることがあります。
発声優先
ポーカーでのアクションは、無言で行うことも、発声して行うこともできます。
発声と実際のアクションが異なる場合は、発声が優先されます。
慣れたプレイヤーは無言でアクションすることが多いですが、ルールを知らないと意図しない意味にとられることがあるため、最初のうちは発声してアクションを行ったほうが確実です。
無言でのアクション
ポーカーでは、ゼスチャーや動作により、無言でアクションを行うことができます。
- (チェック)机をコンコンと叩く、指を宙で回す
- (コール)レイズと同額、もしくはチップを1枚出す
- (レイズ)チップを複数枚出す
このうち、よくあるミスは2と3に関するものです。
無言で高額のチップを1枚出すと、2のルールによってレイズではなくコールとみなされます。
また、複数枚出したチップに誤って大きな額面のものが混じってしまったり、お釣りをキリのいい額にするため高額チップと端数分を同時に出した(いわゆる「コンビニ払い」)場合、無言だと3のルールによりレイズとみなされます。
他、熟練したプレイヤーでも無意識に指を動かしていたりチップをいじっていることがありますが、ディーラーによってはそれが1の動作としてチェックにみなされるケースがあります。小さい動作しかしないプレイヤーも多いため、無意識な動きが有効なアクションと誤認される可能性があります。
ストリングベット
ストリングベットとは、ベットするときに一度に全額のチップを出さず、複数回に分けて出す動作です。
無言でアクションした場合は、最初の1回目に出したチップの分だけが有効になり、あとは無効なアクションとしてベットしたプレイヤーに戻されます。なお、最初に発声していた場合は発声優先のルールにより複数回に分けて出しても有効です。
このルールの背景は「相手の表情をうかがいながら少しずつチップを出すこと」を防止すると言われています。
初心者がやる典型的なミスで、これをやるとだいたい誰かに指摘されます。
ハンドの捨て方
まだ他にアクティブなプレイヤーが2人以上いて自分がフォールドするときは、他のプレイヤーにハンドが見えないように裏返しのままディーラーに返します。このとき、カードがめくれないように注意しながら、押し出すようにディーラーへ返します。
たまに格好をつけて勢いよくカードを滑らせたり、投げたり、あるいはいったん空中へ放り上げてフォールドするプレイヤーがいますが、このような行為をしてカードがめくれてしまった場合は未必の故意といわれても仕方ないでしょう。そのため、あまり真似をしないほうが賢明です。
ショーダウン
ショーダウンは、最後にベット/レイズしたプレイヤー(ラストアグレッサー)からオープンします。
また、ハンドが勝っていないのであれば、裏向きのままカードを捨ててマックすることも可能です。
ただし、裏向きのままカードを捨て、それがディーラーの手に触れるとマック扱いとなってしまうので、自分のハンドが勝っているときに間違えて裏向きで捨てないように気をつけましょう。
また、勝敗判定はディーラーが行いますが、ストレートなど分かりにくい役のときもありますので、誤って判定されないように役をしっかりと申告したほうが良いです。
オールイン
オールインは、手持ちの残りチップを全額賭けることです。テーブルステークスの場合、賭けることができる上限は手持ちチップのみとなります。
オールインをしたプレイヤーは最後までカードを見ることができ、残ったプレイヤーとのハンド優劣によって勝敗が決まります。
なお、オールインしてそれが成立した以降に他プレイヤーがベット・レイズをしたとしても、それに対して賭け金の追加は不要です。ただしそれらはサイドポット扱いとなり、勝ったときも貰えません。
またテーブルステークスの場合(だいたいはそうです)は、相手のベット・レイズ額に対して自分の手持ちチップが足りないときでも、手持ちチップのみでコールできます(この場合、自分はオールイン扱いとなる)。ベット・レイズとコールした差額はサイドポット扱いとなり、それはオールインをしたプレイヤー以外で取り合います。
オールインしているプレイヤーがいて、他にアクティブなプレイヤーが1人以下のときは以降のベット・レイズができないため、その時点でハンドをオープンして最後までカードがめくられます。
オールインをすれば手持ちチップのみで最後までカードを見れるという特徴を活かして、わざと小額しかテーブルに持ち込まない戦略もあります。
ただ、打ち方が単調で機械的になってしまうため、上級者相手には簡単に対策されてしまう方法です。
ハンドについての会話
フォールドしたプレイヤーは、そのゲームが終了するまでは自分のハンドが何であったかを言ってはいけません。
もし自分のハンドが何であったか言ってしまうとそのカードがすでに無いことがばれてしまうため、ゲームの状況が大きく変わってしまいます。
たとえ嘘であったとしても、真偽を判断する方法が無い以上は慎むべきです。
なお、アクティブなプレイヤーが自分のハンドについて話すこと(いわゆる三味線)は、その場所のルールによります。三味線OKの場所もあれば、NGの場所もありますので、そういう技を使うときは事前にルールを確認しておいてください。
国内では、ポーカーテーブルへ絶対にお金を置かない!
国内のアミューズメントカジノ(換金不可の合法ゲームセンター)では、絶対にテーブルにお金を置かないでください!
ドリンクを注文したりチップを買い足すときは、手に財布を持ってテーブルに置かないようにして、お金も直接店員に渡してください。
なかなか店員が来ないからといって、一時的にでもテーブルにお金を置くのはやめてください!
もしテーブルにお金を置いていた瞬間に警察に踏み込まれたら、テーブルにお金が置いてあったという事実だけで賭博と見なされます。
ですから、この点は重々気をつけてください。