ベーシックストラテジーとカウンティングで攻略するブラックジャック

ブラックジャックのルール

ブラックジャックは、手札の数字を足し合わせて21に近いほうが勝ちです。
ただし、21をオーバーした場合はバーストで無条件負けです。

絵札は10としてカウントし、Aは1もしくは11のどちらでもカウントできます。2~9は数字のとおりカウントします。

プレイヤー側の最初の2枚がAと絵札なら11+10=21となり、ブラックジャックと呼ばれる最高の役になります。その場合にディーラーの最初の2枚が21でなければ、2.5倍の配当がもらえます。※ディーラーも21であれば引き分けです。

最初に、各プレイヤーとディーラーに2枚のカードが配られます。
ここで、ディーラーは1枚だけカードをオープンしています。

プレイヤーのアクション

カードを配り終えると、ディーラーから見て左側のプレイヤーから順番にアクションします。

ヒット

カードをもう一枚引きます。テーブルを軽く叩くゼスチャーで伝えます。
11以下なら強制ヒットです。12以上のときは、ディーラーのオープンカードを見てヒットかステイか決めます。

ステイ

カードを引かず、次のプレイヤーへアクションを回します。手のひらを軽く左右に振るゼスチャーで伝えます。

ダブル

手札が2枚のときに、ベット額を2倍にして1枚だけカードを引くことができます。すでに出されているベット額の横に同額チップを置いて、指を1本立てるゼスチャーで伝えます。

最初の2枚で10か11ならダブルがセオリーです。

スプリット

手札が2枚のときに、それらが同じ数字ならスプリットできます。すでに出されているベット額の横に同額チップを置いて、指二本でチョキをして開け閉めするゼスチャーで伝えます。

スプリットすると、2枚のカードを分けてそれぞれにもう1枚カードが配られます。その後は、それぞれのハンドでアクションを続けます。さらに同じ数字が来た場合はスプリットすることが可能です。

AAと88は必ずスプリットと覚えておけば間違いないです。

ちなみに、AAをスプリットした場合はそれ以上のアクションが出来ないルールのカジノもあります。

サレンダー(降参)

勝ち目がないと思ったときは、サレンダーするとベット額の半分だけ戻ってきます。テーブル上に指で横に線を引くゼスチャーで伝えます。ただし、その後にディーラーがバーストしても配当はもらえません。

最初の2枚が16のときはバーストしやすいので、ディーラーのオープンカードが9, 10, Aならサレンダーです。

インシュランス

ディーラーのオープンカードがAのとき、ディーラーは「インシュランス?」と聞いてきます。これは最初にベットした額の半分を追加で賭け、もしディーラーのもう一枚のカードが10もしくは絵札で21ならば配当2倍になるというものです。

しかし、ディーラーのもう1枚のカードが絵札や10である確率は13分の4であるため期待値的には損です。そのため、基本的にインシュランスはしないことがセオリーです。

ディーラーのアクション

プレイヤーのアクションがすべて完了すると、最後にディーラーは手札の合計が17以上になるまでカードを引き続けます。ディーラーのアクションは機械的に行われるため、ディーラーが何かを判断することはありません。

ディーラーの手札合計値が21以内であれば各プレイヤーの手札合計値と比較し、プレイヤーが勝っていれば2倍の配当、負けていればベットは没収となります。
ディーラーがバーストすれば、残っているプレイヤーすべてに2倍の配当です。ただし、プレイヤーもバーストしている場合はプレイヤーの負けとなります。

ベーシックストラテジーは暗記必須

ブラックジャックでは、自分の手札とディーラーのオープンカードごとに一番有利なアクションを数学的に解析されています。
それを表にまとめたものがベーシックストラテジー(基本戦略)と呼ばれるものです。

ベーシックストラテジー通りにプレイするとハウスエッジは0.5%まで下がり、非常にプレイヤー有利なゲームになります。

ブラックジャックをプレイするならベーシックストラテジーを暗記することが必須です。
これをマスターするまでは、ブラックジャックには手を出さないほうがいいとまで言えます。
(豆知識)ベーシックストラテジー通りにプレイしないとカードの流れが変わるとして、他プレイヤーから非難の視線が飛んでくることがあります。

さて、次の表がベーシックストラテジーです。
ブラックジャックをプレイする前に、まずはこの表を頭に叩き込んでください!

画像1

S:ステイ H:ヒット D:ダブル Spt:スプリット Sld:サレンダー

手札にAがあって、1もしくは11とカウントできる場合はSoftの項目にある戦略でプレイします。
手札にAが無い、もしくはAがあっても11とカウントすると21を超えてしまう場合はHardの項目にある戦略でプレイします。

この表の見方は、たとえば自分のハンドが12でディーラーのオープンカードが5ならSですので、ステイします。
Aが絡む場合はA2~A9を見ます。たとえばA3でディーラーのオープンカードが5ならダブルです。

同じ数字がペアの場合は、22~AAの項目を見ます。たとえば44でディーラーのオープンカードが8ならヒットです。

まずは、このベーシックストラテジー表を丸暗記しましょう。とはいえ、いきなりだと難しいと思います。そのため最低限、これだけは覚えておきましょう。

・Aを含まない17以上はステイ
・8以下はヒット
・11でディーラーのオープンカードがAで無ければダブル
・10でディーラーのオープンカードがA、絵札、10で無ければダブル
・AA、88はスプリット

55、TTはスプリットせず、ペアではない普通のハンドと同じプレイをする
また、ベーシックストラテジーを覚えるためのコツです。 原理から考えるとわかりやすいです。

・絵札は10として数えるため他の数字よりも遥かに出現しやすい。そのため、伏せられたカードや次に来るカードはまず10として考える。(=10や11でダブルする理由)
・ディーラーは17以上ならステイなので、オープンカードが7以上なら伏せられたカードは10で17以上となりステイの可能性が高く、バーストする可能性は低い。
・逆に、6以下のカードなら17以上になるまでヒットしないといけないのでバーストする可能性が高い
・ディーラーがバーストしそうなときは、積極的にそれを狙っていく
・ディーラーのハンドは17以上かバーストにしかならないので、自分のハンドが16以下の場合は12でも16でも強さは同じ。(=ヒットするとバーストしやすい16をサレンダーする理由)

このように考えると、ベーシックストラテジー表に規則性が見えてきませんか?原理を理解すると、ベーシックストラテジーの暗記が簡単です。

カウンティング攻略

ブラックジャックのカウンティングは非常に強力な攻略法です。
MIT大学のエドワード・ソープが発明し、映画(ラスベガスをぶっつぶせ)にもなっています。

最近は自動シャッフルマシーンが普及してるのでカウンティングできるカジノはほぼ無いですが、雑学として覚えておくと良いでしょう。

カウンティング攻略法の原理

それではさっそく、カウンティング攻略法の原理について説明していきましょう。

まず、トランプのデッキはそれぞれの数字の枚数が決まっています。そのため、すでに出たカードを記憶しておけば残りに何のカードがあるか計算することが可能です。

カウンティング攻略法は出たカードを記憶しておくことで、残りのカードを推測してプレイヤーに有利なカードが多いとき、大金をベットするというものです。

残りのカードにA、K、Q、J、10が多いときはプレイヤーのブラックジャックやディーラーのバーストが発生しやすいため、プレイヤーが有利となります。

ハイロー法

ブラックジャックのカウンティング攻略法で一番簡単、かつ効果が高いのがハイロー法です。

カードのランクをロー(2~6)、ハイ(10~A)、それ以外(7~9)に分け、テーブルに出たカードをひたすら数えます。
カウント値0からスタートして、出たカードがローなら+1、ハイなら-1でカウント値の増減を計算します。それ以外のカードなら変化なしです。

カウント値がプラス(デッキに10~Aのハイが多い)だとプレイヤーが有利な状態です。

なお、ブラックジャックでは複数のデッキ(6~8デッキ)を使うことが一般的です。そのため、カウント値を残りのデッキ数で割った数字がトゥルーカウントです。トゥルーカウントが1上がるごとに期待値が0.5%上がります。

ベーシックストラテジーどおりにプレイするとブラックジャックの期待値は99.5%です。そのため、トゥルーカウントが+1だと期待値100%でトントンになります。
例えば、カウンティングの数字が+8でシューターの残りデッキ数が5だとトゥルーカウントは1.6のため期待値は100.3%になります。

普段は最低ベットでカウンティングしながら様子を見て、期待値がプラスの状態になったら大きくベットします。

カウンティングの練習

さて、ブラックジャックの実戦ではゲームがどんどん進んでいきますので、モタモタと数えている暇はありません。

そこで、カウンティングの練習として、1デッキのトランプを使う方法があります。

順番にカードをめくっていきながらカウンティングをしていき、すべてめくり終わった時点で合計が0になってればOKです。0以外の数字になったときはどこかで数え間違いをしています。カードをめくるスピードをどんどん上げていき、1デッキ30秒以内で完了できればOKです。

この方法はウォーミングアップにも使えます。ブラックジャックがあるカジノへ向かう飛行機の中で、準備運動としてやってみましょう。

カムフラージュ

カウンティング戦略そのものは、練習すればそれほど難しいものではありません。むしろカジノからのカムフラージュのほうが大事です。カウンティング攻略法は非常に強力であるため、カジノはそれを利用しているとみなしたプレイヤーをカジノから退場させることができます。

ずっと最低ベットだったのにベット額が急激に増えた、目や首がきょろきょろしている、自分のハンドがバーストしたのに他の人のハンドや回収されたハンドにまで視線が流れているなどがカウンティングの典型的な特徴です。

そこで、カウンティング攻略法を使いながら少しでもテーブルに長く粘れるよう、カムフラージュの方法を考えてみましょう。

ベッティングパターン

カウンティング攻略法がばれる一番の原因はベット額が不自然ということです。
ずっと最低限しかベットしていなかったプレイヤーが、期待値プラスになった途端に大金をベットしてきたら不自然ですよね?

そこで、ブラックジャックでの自然なベット額の追加方法を考えてみましょう。素人がベット額を増やすのは、おおむね次のようなときだと思います。

・負けが込んだのでアツくなって倍賭け
・勝ったので勝った額をそのまま次に賭ける
・この後に予定があるので最後に手持ちチップを全部賭ける

このように考えると、負けたときに倍賭け、勝ったときにチップを下げずそのままベットにすると、自然な感じでベット額を増やしていくことができます。

この考えをさらに進めると、カウンティングしてて勝負どころが近づいてきたと感じたら早めにベット額を増やしていくということができます。

キョロキョロしない

また、カードを目で追いすぎるためカードカウンティングがバレることがあります。

他人のハンドや回収されたカードにまで忙しく目を走らせ、自分はバーストしているにも関わらず首まで振って流れるカードを追っていては、カウンティング攻略法をしてますと言っているようなものです。

そこで、まずは動作を最小限に抑えましょう。頬杖をついて頭をもたれかけるようにすると、頭がガッチリ固定されて動かなくなります。

視線の動きは最小限に!

視線の動きは最小限に抑えます。

カウンティング攻略法で一番視線が動くのは、ゲーム開始時の各プレイヤーにカードを配っているときです。
大量のカードがシューターから配られていくので、それらを追っていると頻繁に視線が動きます。

そこで、ブラックジャックのカウンティングはすべてのカードが配り終えられた瞬間にまとめて行います。
このとき、+1、+1、-1、0……といちいち計算していては時間がかかってしまいます。

そこで最初にプレイヤー全員にカードが配られたときは、ハイカードだけ、ローカードだけをそれぞれ数えて最後に合計します。

例えばディーラーがカードを配り終えた瞬間に、まずは手元から向こう側へ向かってハイカードの枚数を数えます。
そして、向こう側か手元へ視線が戻ってくるときにローカードの枚数を数えることで、視線は一往復で済みます。
最後に、ハイカードとローカードの枚数差を計算すればよいのです。

チームプレイ

ベッティングパターンの不自然さを隠すため、ブラックジャックのテーブルでカウンティングする人(カウンター)とベットする人(ビッグベッター)を分ける方法があります。

カウンターはブラックジャックのテーブルでひたすらカウンティングを続けて、期待値プラスになったらビッグベッターにサインを送ります。
それを見たビッグベッターはさりげなくブラックジャックのテーブルに移動して、大金をベットします。
期待値マイナスのゾーンになったらベッターは引き上げます。

このテクニックは、「ラスベガスをぶっつぶせ」のなかでも使われています。ブラックジャックの雰囲気をつかむため、見てみることをおすすめします。

カウンティング値がマイナスのとき

カウンティング値が大きくマイナスであり、プラスに転じるのはかなり先という場面があります。

そんなときは休憩を取りましょう。
ゲームに疲れて気分転換にブラブラすることは、そんなに不自然ではないと思います。


いかがだったでしょうか?

ポーカーに飽きたらサイドギャンブルも良いと思います。
最近はカウンティングできるカジノはほぼ無いですが、勝ち負けにこだわらず気分転換にやってみるのも一興です。