バリューベットと適正なブラフ

ポーカーをもっとも面白くしているものはブラフですが、一方で最も難しいのもブラフだと思います。
ブラフをどのように打てば良いのかについて色々な説がありますが、適正なブラフについて考えてみたいと思います。

自分のベットに降りてほしいかコールしてほしいか

ブラフを考える前に、まずはベットアクションについて考えてみます。

本物の手があるときにベット、ときどきブラフする場合、自分のベットアクションに対して相手にはどのように反応してほしいでしょうか?
おそらく本物の手があるときはコールしてほしい、ブラフのときは降りてほしいと思います。

しかし相手から見れば同じベットアクションであるにもかかわらず、正反対のアクションを期待しており矛盾しているように見えます。これをどのように考えればよいのでしょうか。

そこで登場する考え方が、こちらのベットアクションに対して相手がコールしても降りても期待値が最大となるようにすることです。
バリューベットとブラフを適正な割合で混合することで、相手がどちらのアクションをとっても良いようにします。

ゲーム理論から見る適正なブラフ頻度

ブラフを混ぜることによって本物の手を持っているときにベットしてもコールをもらいやすくする考え方は以前からありました。それでは、どれぐらいの割合でブラフを混ぜればよいのでしょうか?

これを検討するため、次のようなモデルケースを考えてみます。

ブラファーのA君はバリューベットとブラフを混ぜてベットします。
ブラフキャッチャーのBさんは相手のブラフ頻度を見てコールするかどうかを決めます。

さて、まずはBさんがコールする場合の期待値(EV)を見てみます。

EV = ブラフ率 × ( 1 + ベット額 ) – バリューベット率 × ベット額

第1項の1はポット額、ベット額はポットに対するベット割合を指します。
この式の第1項は相手がブラフだったときに得られる金額第2項は相手が本物だったときに失う金額を意味します。

ここで、EVがプラスになるときはBさんはコールしたほうが利益(相手がブラフしすぎ)、マイナスになるときはフォールドしたほうが利益(相手がブラフしなさすぎ)となります。

それではBさんがコールしてもフォールドしても同じ、すなわちブラフしすぎでもしなさすぎでもない点はどこでしょうか?
それはBさんのEVがゼロになるところであり、それが適正なブラフ率となります。

それでは、EVがゼロとなるブラフ率を求めてみます。
ちなみに、バリューベットはブラフの裏返しで、両方を足すと100%になります。なので、バリューベット率 =(1 – ブラフ率)とします。

すると、次の式が得られます。

0 = ブラフ率 × ( 1 + ベット額) – ( 1 – ブラフ率 ) × ベット額

(中略)

ブラフ率=ベット額 ÷ ( 1 + 2 × ベット額)

ブラフ頻度についての考察

それでは、ポットに対するベット額と適正なブラフ率について得られた結果を見ていきましょう。

適正なブラフ率は20~40%ぐらい

ベットする額にもよりますが、だいたい適正なブラフ率は20~40%程度です。
感覚的には3~4回に1回ブラフをするのが適正と言えそうです。

なお、ベット額をいくら上げても適正なブラフ率は限りなく50%に近づくだけで超えることはありません。
そのため、ブラフを2回に1回以上しているならブラフしすぎです。

ベット額を上げるほどブラフが多くなる

ベット額を上げるほどブラフ率が高くなります。これは、もしかすると直感に反するかもしれません。
その場合は、ベット額が安いと相手がコールしやすくなるのでブラフ率を下げる必要があると考えてみてはどうでしょうか。

また、オーバーベットを使いこなすプロの戦いではブラフが多くなります。
これも、ベット額を上げるほど適正なブラフ率が高くなるので理にかなっていると言えます。

さらなる上達を目指す

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